「ニンテンドー3DSカメラ」の閲覧モードにおける
フォーカス機能のON/OFFフラグについて

目次

1.イントロダクション

任天堂から発売される携帯ゲーム機「ニンテンドー3DS」にはステレオカメラモジュールが搭載されており、
気軽に3D写真が取れるのがキャッチコピーの一つになっている。
また、パソコンで3D画像を制作し、3DS上で再生させて遊ぶユーザーも存在する。

3DSで3D画像を閲覧する際、写真によっては「フォーカス調整」という機能を利用することが出来る。
これは、3D画像に必要な右目用画像と左目用画像の横方向の位置を調整できる機能である。
このフォーカス調整が利用できる写真は基本的に3DS内蔵ソフト「ニンテンドー3DSカメラ」で撮影した画像のみであるが、
部分的な解析により、パソコンで制作した画像をフォーカス調整利用可能に成功した例がすでに複数報告されている。

今回は、画像ファイルによってフォーカス調整が利用可能になる条件についてさらに踏み込んで調べてみようと思う。
 

実験詳細

例えば、筆者の3DSで撮影した画像「HNI_0006.MPO」のメーカーノートはこういうデータになっている。
 


00 02 11 00 00 07 00 00 00 50 00 00 01 80 11 01
00 07 00 00 00 40 00 00 01 D0 00 00 00 00 01 00
00 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00
00 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00
00 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00
00 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00
00 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00 33 44
53 31 01 00 00 00 7F 2D 0C 15 00 00 00 00 04 02
00 00 14 00 09 00 95 AF 09 B9 00 00 00 00 00 00
00 00 95 AF 09 B9 AB A5 D8 3F 00 00 00 00 00 00
02 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00
 


(ここではとりあえず16バイトごとに改行してみたが、意味はない。)
さて、このデータはExif形式で記録されたデータの一つだが、これ自身もまたExif形式的な順序で記録されている。
(Exif形式のルールを当てはめるとぴったり解読可能であった)。すなわち、意味的に改行すると、



といった感じになる。
ここで重要なのは、タグ1101で示されるデータの21バイト目の左部分(上で赤くした部分)。
他のファイルに記載されたメーカーノートを観察した結果、フォーカス機能が利用できるファイルでは上の赤い部分が「1」に、フォーカス機能が利用できないファイルでは「0」になっていることに気がついたのである。

(つづく)

inserted by FC2 system